製品詳細
ナショナル電熱株式会社
カートリッジヒーター(より良く使用するためのアドバイス)【3】
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電子/半導体材料
ヒーターをより良く使用するために
ヒーターをより良く使用する為にどのような点に注意すべきかを、ヒーターの中で製造方法や使用方法が難しいカートリッジヒーターについて述べます。
【クリアランス】
【ヒーターの配列】
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ヒーターと挿入穴とのクリアランスはヒーターの寿命に著しく影響します。一般的にはヒーターが抜けなくなるとの理由で、寿命は無視して大きい穴が開けられています。クリアランスが大きすぎると寿命に影響をあたえるのは、ヒーターより発生した熱がクリアランス間に次々と蓄積され、高温度の蓄熱層を形成し、飽和となって一部の熱がヒーターに戻るバックファイヤー現象となってオーバーヒートを生じ、ヒーター自身の発熱温度より高くなり断線となります。これはヒーター・クリアランス・被加熱物のそれぞれ持つ熱伝導度の違いから生じる熱の遅れが主因です。 熱伝導度とは、断面積1cm2、厚さ1cmの両面に1℃の温度差を持つ時、物体を通って毎秒伝導する熱量をカロリーで表した表記方法で、単位はCal/cm・sec℃で表します。 |
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被加熱物 |
熱伝導度 |
空気 |
0℃ |
0.0000568 |
280℃ |
0.0000084 |
(温度の上昇に伴い熱伝導は悪くなります) |
鋼 |
0.148 |
銅 |
0.94 |
アルミニウム |
0.5 |
MgO(ヒーターの絶縁物) |
0.01 |
樹脂 |
0.000156~0.000277 |
例えば金型の場合。 |
ヒーター内部 |
0.01 |
クリアランス(228℃) |
0.0000084 |
鋼 |
0.148 |
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これで解るように熱伝導度の悪いクリアランスが多ければ多いほどクリアランス間に熱蓄熱層ができ、熱の伝達に大きな遅れが生じます。蓄熱された熱は被加熱物へと、また一部がヒーターへと伝導され前記のような結果となります。 ヒーターの寿命を延ばすには、ヒーターからの発生熱を留まらぬよう放熱させることが大切です。 ワット速度(W/cm2)に対してのおおよその適正クリアランスは |
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● |
LOW-WATT-CH |
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ワット密度(W/cm2) |
クリアランス(mm) |
2~3 |
0.2~0.1 |
4 |
0.15~0.1 |
5 |
0.1 |
6 |
0.08~0.1 |
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● |
HI-WATT-CH |
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ワット密度(W/cm2) |
クリアランス(mm) |
6~8 |
0.05~0.12 |
8~10 |
0.05~0.1 |
10~15 |
0.07~0.05 |
15以上 |
0.02~0.05 |
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但し上記の数値は目安で、ヒーターの発生熱を速やかに外部へ伝導されない場合はクリアランスを少なくし、熱伝導を良くするよう被加熱物に工夫が必要です。 |
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プレート加熱でヒーターの配列は無視されがちですが、寿命に大きな影響を及ぼします。そこでヒーターを作る立場からプレートに於けるヒーターの配列について述べます。 まず、ヒーター間の熱の移動を温度勾配で表すと下記のごとく表されます。 |
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ヒーターの寿命を延ばす配列は、ヒーター相互の高い熱が重ならぬことです。ヒーターの製作での発熱体(ニクロム線)の線間ピッチとヒーター(プレートの発熱体)の配列は同一です。 ニクロム線の線間ピッチの選定は P≧3D で、これは長年の経験から出た数値です。 |
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現在、ヒーターに使用されている発熱体はニッケルクローム抵抗線(Ni-Cr)です。絶縁物は電気を通さず熱を通す絶縁低下の少ない高融点金属酸化物のマグネシア(MgO)です。長時間使用や高温時ではこの組み合わせで反応します。 それはNi-Cr線のCrがMgOと反応してCrが減少し、耐熱度の低いNiが主体となりMgOが黒色に変化して導電体になり断線します。断線ピッチの決定は寿命に重大な影響を及ぼします。 高ワット密度のヒーターはヒーターその物が断線を早める要素を多分に持ち合わせていますので、使用状態いかんで寿命の長短が決まります。 線間ピッチを狭く取ると図-1のD1とD2の発生した合わせ熱による高い温度の蓄熱層がD1・D2間にできるのでNi-Cr線とMgOの黒色現象が早く進み寿命が短くなります。 線間ピッチを広く取るほうがよい。しかしピッチを広く取ると同一径、長さ、容量ではニクロム線径を一段細くしないと収まらず、線温が高くなるので寿命は短くなります。また、線間ピッチがバラツクと狭いところが当然高い温度になるので寿命の低下につながります。 これらの点を踏まえてヒーターの製作をしています。 上記の事柄はそのままヒーターの配列に置き換えられます。そこでヒーターの使用方法にも細心の注意をはらってご使用願わなければなりません。 使用方法で重要なのはヒーターの発生熱を蓄熱されずに速やかに奪い去るよう心掛けることです。この点を考慮に入れて設計なさられるよう要望します。 ヒーターの配列について下記に例を記します。 |
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図-2ではHLS≧1.5D 1.5D以下になればなるほどプレート表面から高い熱が放出され、効率も悪く、ヒーターも空焼きに近い状態となり、オーバーヒートとなって寿命が著しく短くなります。 特に高温使用や真空、放射熱伝達ではこの点を考慮に入れなければなりません。 L=3D~4D Lは等間隔にしなければ、熱の均一化は得られません。 Lの距離が広いと使用温度まで上昇しにくく、また使用温度に達するまでフルパワーによるオーバーワークを余儀なくされる為、リード線とニクロム線の接続部にダメージを与えます。特に高温時、真空、放射熱伝達では要注意です。 |
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図-3では HLS≧1.5D HLS≧3D L≧3D LはHL間の合わせ熱があるので、狭すぎると蓄熱量が多くなるので温度が上がりオーバーヒートとなります。 設計するにあたり、上記の点を考慮されることを熱望します。 |
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角コイルヒーター |
熱効率が高く、堅牢な角コイルヒーター |
●密閉型でしかも堅牢にできているので、あらゆる加熱に利用できます。 ●軸(シャフト)加熱では、従来の丸型ヒーターに比べて接触面積が大きいので、熱伝達が著しく向上しました。 ●リード線との接続部は非発熱部となっているので、丸型ヒーターに見られような接続部の事故はありません。 ●小さな形状で大きな発熱量が得られる設計です。 ●サーモカップル内蔵もあります。 |
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ノズル用 平角コイルヒーター 口2×3インチサイズ仕様 |
熱効率が高く、堅牢な平角コイルヒーター |
●密閉形で堅牢にできています。 ●リード線との接続部は非発熱部となっているので丸形に見られるような接続部の事故はありません。 ●カバーは不要です。 ●取り付けが簡単です。 ●寿命が長い。 ●ミニシーズのノズルヒーターより蓄熱量がいいので連続成形でも熱不足はありません。 |
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HI-WATTカートリッジヒーター |
高熱伝導性・高絶縁性・長寿命で コストダウンに貢献します |
●研磨機による外径仕上げで、熱伝導・熱効率をアップ。 ●ヒーターが伸びず、ニクロム線も太くなるプレス絞りで長寿命。 ●小さな形状で高い熱が得られます。 ●耐振動性・耐久性に優れています。 ●サーモカップル内蔵もあります。 |
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アルミ角ヒーター |
手で自在に曲げられる フレキシブルなヒーター |
●研手で自在に曲げられる。 ●ヒーターの固定に無機硬化剤が不要。 ●熱板の温度分布が良い。 ●消費電力が少ない。 ●従来の丸ヒーターに比べ熱効率が良い。 |
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