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ナショナル電熱株式会社

カートリッジヒーター(より良く使用するためのアドバイス)【5】

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ヒーター/クーラー/チラー コイル/トランス 電子/半導体材料

ヒーターをより良く使用するために

ヒーターをより良く使用する為にどのような点に注意すべきかを、ヒーターの中で製造方法や使用方法が難しいカートリッジヒーターについて述べます。

【不適正な使用方法】

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ナショナル電熱株式会社

【所在地】〒342-0015埼玉県吉川市中井2-11-2

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【URL】http://www.national-eh.co.jp

種類と構造 ヒーターの寿命 熱の伝達 ヒーター自身の寿命
クリアランス ヒーターの配列
カートリッジヒーターの断線 不適正な使用方法

不適正な使用方法

ヒーターの断線が限られた被加熱物(金型、熱板、装置等)と場所に発生した場合、不適正な使用方法に必ず該当します。

ワット密度(W/cm2ヒーターの表面積当りのW数)が高い
一番多い断線の原因で、ワット密度が高いと熱量の供給過多により、被加熱物の過少吸収を招いて発生した熱がヒーターにもどる、バックファイヤー現象(オーバーヒート)を引きおこし、赤熱状態になります。
ワット密度が10W/cm2を超えると断線の発生率はなお、高くなります。
また、ヒーターと挿入穴のクリアランスが適正に確保されていても、ワット密度が高いと赤熱をおこすため、注意が必要です。

ヒーターの間の距離が広すぎるまたは、狭すぎる
ヒーター間の距離や配置は寿命に影響を与えます。ヒーターから発生した熱は、速やかに伝導させることが重要で、温度勾配(距離)が狭すぎると、熱はヒーターに逆送されてオーバーヒートによる断線が起こります。
逆に温度勾配(距離)が広すぎると、ヒーターは絶えず100%のワークを強要され、オーバーワークが持続されます。
ヒーターから被加熱物の表面までの距離HLSやヒーター間の距離L及びHLは以下のような適正距離が必要です。(詳しくは「ヒーターの配列」の図-2、図-3を参照してください)
 HLS≧1.5D
1.5D以下になると温度勾配が少なく、また熱の流れも少ないため、発生した熱は被加熱物の表面から高い熱が放出されます。熱効率も悪く、ヒーターは空焼きに近い状態を保ち、オーバーヒートで断線します。
 L=3~4D HL=3D
Lは3D、多くとも4D以下とします。また、HLは3Dです。
3Dとは、ヒーター間にヒーター2本分の距離を確保することです。3D以下になるとヒーター間の温度が合わせ熱で上昇する現象が起こり、ワット密度が高いとさらに温度が上昇するため、オーバーヒートをおこし易くなります。
Lが4D以上になると、オーバーワークとなり寿命に影響します。そして、5Dを超えるとよりその影響は増し、寿命は短くなります。
複数のヒーターを使用する場合は、鉄則としてヒーターの間隔は、等間隔にしなければ熱の均一化はなりにくいと言えます。不等間隔のヒーターの配置は、熱の流れが一定せず、僅かな環境の変化や操作で熱の流れが変り、ヒーターに負担がかかります。
近年解明された断線に、ヒーター表面が黄土色くらいの焼色(350℃前後)であるのに、断線に至る現象があります。これを低温断線(Low-temperature complete failure)と称します。低温断線は、使用温度が低い、ワット密度が高い、ヒーター間の距離が広い、クリアランスが多い、ヒーターとセンサーの距離が広い時などの複合条件で発生します。

ヒーターとセンサーの距離が広すぎる
ヒーター間の距離・ヒーターとセンサーの距離が広すぎると、使用温度に達するまでフルパワーの状態が持続され、オーバーワークとなって断線に至ります。
ヒーターとセンサーの適正距離は2D~3Dです。3Dを超えるヒーターは、オーバーワークになります。

ヒーターと挿入穴のクリアランスが多い
クリアランスの多少でヒーターの寿命は左右されます。(ワット密度や使用温度が高い場合はヒーターの外径交差はh7、挿入穴の交差はH7としてください。)クリアランスについての注意点や数値は「クリアランス」に記載されていますので参照してください。
断線が複数本発生した場合、限られた被加熱物と場所に集中する傾向があり、ヒーターの配置・配列、センサーの位置、ワット密度、使用温度、被加熱物の材質、ワット数等、複数の原因が関わっています。
設計した時の70~80%の稼動がベストです。ワット密度が10W/cm2を超えたら再考しなければなりません。

以上参考にしてください。

◆ナショナル電熱製品ラインナップ
角コイルヒーター
熱効率が高く、堅牢な角コイルヒーター
●密閉型でしかも堅牢にできているので、あらゆる加熱に利用できます。
●軸(シャフト)加熱では、従来の丸型ヒーターに比べて接触面積が大きいので、熱伝達が著しく向上しました。
●リード線との接続部は非発熱部となっているので、丸型ヒーターに見られような接続部の事故はありません。
●小さな形状で大きな発熱量が得られる設計です。
●サーモカップル内蔵もあります。
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ノズル用 平角コイルヒーター
口2×3インチサイズ仕様
熱効率が高く、堅牢な平角コイルヒーター
●密閉形で堅牢にできています。
●リード線との接続部は非発熱部となっているので丸形に見られるような接続部の事故はありません。
●カバーは不要です。
●取り付けが簡単です。
●寿命が長い。
●ミニシーズのノズルヒーターより蓄熱量がいいので連続成形でも熱不足はありません。
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HI-WATTカートリッジヒーター
高熱伝導性・高絶縁性・長寿命で
コストダウンに貢献します
●研磨機による外径仕上げで、熱伝導・熱効率をアップ。
●ヒーターが伸びず、ニクロム線も太くなるプレス絞りで長寿命。
●小さな形状で高い熱が得られます。
●耐振動性・耐久性に優れています。
●サーモカップル内蔵もあります。
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アルミ角ヒーター
手で自在に曲げられる
フレキシブルなヒーター
●研手で自在に曲げられる。
●ヒーターの固定に無機硬化剤が不要。
●熱板の温度分布が良い。
●消費電力が少ない。
●従来の丸ヒーターに比べ熱効率が良い。
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