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ナショナル電熱株式会社

カートリッジヒーター(より良く使用するためのアドバイス)【4】

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ヒーターをより良く使用するために

ヒーターをより良く使用する為にどのような点に注意すべきかを、ヒーターの中で製造方法や使用方法が難しいカートリッジヒーターについて述べます。

【カートリッジヒーターの断線】

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ナショナル電熱株式会社

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種類と構造 ヒーターの寿命 熱の伝達 ヒーター自身の寿命
クリアランス ヒーターの配列
カートリッジヒーターの断線 不適正な使用方法

カートリッジヒーターの断線

ニクロム線を使用しているヒーターの断線は避けて通れない宿命です
いかにして、断線させないで使用するかが重要な要素となります。断線の98%は不適正な使用方法によるものですが、それはすでに設計段階で始まっています。残りの2%はヒーターによるものです。
カートリッジヒーターの生まれた背景は、電気炉の逆発想からです。800℃の寿命の長い電気炉の場合、線材メーカーのニクロム線温表より、300℃の太い線を選定し、保温と時間をかけて温度を800℃に上げていきます。
上昇時間の短縮や炉形の制限があると、500℃以上の細い線を使用しなくてはならない為、寿命は短くなります。
カートリッジヒーターは被加熱物を250℃に加熱する場合、500~800℃のニクロム線を選定し、赤熱させないで使用します。500℃以下であれば寿命は長く、それ以上であれば短くなります。
赤熱状態で使用すると絶縁物の性質で、絶縁抵抗が著しく低下します。経時とともに、ニクロム線と絶縁物の反応が早く進み、絶縁抵抗の低下が加速され、絶縁破壊をおこし断線に至ります。
それゆえに、カートリッジヒーターの使用条件で、赤熱させての使用はあってはならないことと言えます。
使用されたカートリッジヒーターの表面は、「焼色」と呼ばれる変色をおこし、その色で使用された温度を判断することが可能です。
表面温度 焼色
300℃ 淡黄土(ネーブルアイボリー)
350℃ 黄土(イエローオーカー)
400℃ 鶯茶(ローシェンナ)
450℃ 栗茶(ベネチアンレッド)
500℃ 代赭(バーントシェンナ)
550℃ 錆茶(バンダイクブラウン)
600℃ 桔梗紫(バイオレット)
650℃ 白群(スカイブルー)
700℃ 水白群(アクアブルー)
750℃ 水白群(アクアブルー)
返送されたカートリッジヒーターを見ると、焼色は水白群(700~750℃)になっていることが多く、低い温度で使用されていても、実際のヒーター表面温度は700℃以上で使われていたと判断できます。
たとえば、鋼鉄の金型を240度以上で使用する場合、ヒーター表面温度が240℃になるヒーターを使用すれば、ヒーターは変色しませんが、ヒーターの本数は多くなります。逆に、ヒーター表面温度の高いヒーターを使用すれば、ヒーターの本数は減らせますが、ヒーターは変色を起こします。
熱伝導率の低い鋼材の金型は、ヒーターの高い温度を全て吸収できず、ヒーターは供給過多で金型は過少吸収になります。
ヒーターの表面温度が高いヒーターを使用すれば、金型が240℃であっても、ヒーターは加熱している高い温度の焼色になります。
15W/cm2ヒーターは、800℃以上の焼色ですが、金型で使用しても水白群色(700℃)くらいに変色していることが多いです。また、挿入穴とのクリアランスが0.05mmでも、15W/cm2のヒーターは600℃以上の焼色になります。
当然ヒーターには断線がつきまといます。

断線が発生したときの応急策
最も多いのが容量過多ですので、ヒーターの容量を下げれば、断線は止まります。

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◆ナショナル電熱製品ラインナップ
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熱効率が高く、堅牢な平角コイルヒーター
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●リード線との接続部は非発熱部となっているので丸形に見られるような接続部の事故はありません。
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●サーモカップル内蔵もあります。
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●研手で自在に曲げられる。
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●従来の丸ヒーターに比べ熱効率が良い。
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